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米どころ・富山県で学生が考案! おうちで作るご当地米粉レシピを発表

2025.12.18

米どころ・富山県で学生が考案! おうちで作るご当地米粉レシピを発表

農林水産省の米粉需要創出・利用促進対策事業の一環として、北日本新聞社が富山調理製菓専門学校と連携して“ご当地米粉レシピ”を開発。そのお披露目会が11月下旬、富山調理製菓専門学校で行われました。今回はお披露目会の模様や取り組み内容を紹介します。

学生の自由な発想に期待した
米粉が身近な未来へつながる施策。

3000メートル級の雄大な山々が連なる富山県は、肥沃な大地と雪解け水によって、質の高い米が生産されている米どころ。立山町や砺波市といったコシヒカリの名産地が全国的に知られ、また「富富富」(ふふふ)など富山県開発の新品種も栽培されています。そんな富山県を拠点とし、地域振興にも努める北日本新聞社が、家庭での米粉の利用促進に向けてさまざまな企画を実施します。

ひとつが、富山調理製菓専門学校と連携し行った“ご当地米粉レシピ”の考案です。今回メニューを考案したのは、2017年に開校した富山調理製菓専門学校の調理技術科・製菓技術科の1年生。「自由にアイデアを出してほしいという思いから、あえてプロの料理人ではなく学生へ依頼しました。まだ、お店で米粉を使った料理を食べたり、買ったりするだけで自分では扱わないという人も多いですが、たくさんの人に米粉の良さを知ってもらいたい、家庭で日常的に米粉を使い、楽しめる未来になってほしいと考え、家庭で作れることをコンセプトにしています」と語ったのは、北日本新聞社の徳本さん。

学生たちが考えたご当地米粉レシピは、北日本新聞のタブロイド情報紙「wao!」にて2025年12月から翌年2月まで掲載。あわせて米粉の魅力を伝える雑学や、スーパーなどの米粉販売店情報を掲載し、家庭での米粉消費を促します。
 


今回の取り組みについて、富山調理製菓専門学校の学園広報戦略室長を務める三浦さんが話してくれました。「本校は、製菓技術科と調理技術科に分かれ、ジャンルを問わずさまざまな技術を学べる専門学校です。調理師、製菓衛生師といった国家資格も取得できるだけでなく、富山の食材を使い、地元企業や行政と協力しながら学びを広げられるのも特徴です。これまでも地元産のりんごを使ったレシピ考案や、学生が育てたさつまいもを使ってメニューを考え、校舎併設のレストランで提供したこともあるんですよ。今回は、地元の名産であるお米で作られた米粉のメニュー開発ということで、通常の授業にはない新たな学びにつながると考えお引き受けしました」。

授業を担当する製菓技術科の萩野先生は、「これまでに米粉を使う授業はしておらず、学生たちは米粉の扱いに慣れていません。しかし、それぞれ自由な発想で家庭でも作りやすいお菓子を調べたり、今まで授業で作ったものをアレンジしてメニューを考案しています。米粉は、小麦粉にアレルギーがある人でも一緒に食べられるお菓子を作れるのも特徴。さまざまな可能性が広がるのが魅力のひとつですよね」と話してくれました。

また、米粉を使ったお気に入りのメニューがあると話してくれたのは、調理技術科の窪田先生。「私は天ぷらに米粉を使うのが好きで、家庭でも授業でも天ぷらには米粉を使用しています。私が感じる米粉の魅力は、なんといっても食感。天ぷらはサクッと仕上がるのが良いですね。本校では、地元の企業からの依頼で地場産の魚やホタルイカを使って授業をすることも。今回も学生たちの豊かな発想で、メニューを考えました」。
 

米粉の特性と地元食材を活かした
米粉料理11品をお披露目。

お披露目会では、11グループに分かれた学生たちがそれぞれ一品を作り、レシピを発表。審査員として、北日本新聞社の徳本さん、校舎併設のレストランAOIKEのシェフ・亀谷さん、富山県産の米粉によるベーグルを販売する「とべーぐる」の代表である大澤さんが参加し、試食を行いました。

各班はメニューの概要や工夫した点などを発表。中でも「Crepe&Mood~その日の気分と楽しむクレープ~」を作った製菓技術科のグループは、「米粉の生地はモチモチの食感でおいしく出来上がりました。トッピングは家庭にある食材で気分によって楽しめるようにさまざま用意していますが、アレンジは無限大です。ご当地感を出すために県内産のりんごもトッピングに使っており、生のりんごとジャムで2つのおいしさが味わえます」と話してくれました。

また、「きときと!富山幸お好み焼きだよ!」調理技術科のグループは、全員が和食志望だったことがお好み焼きを作った理由だと話します。「和食と米粉を通して富山の魅力を伝えたいと考え、レシピ開発をしました。富山らしさを感じられる食材として“白エビ”を使っており、生地に使う出汁も白エビに合わせて調整し、ソースなしでも食べられるお好み焼きに仕上げました」。
 


試食をした3名の方からも感想が語られ、徳本さんは、「予想以上の出来栄えで、どれもおいしく驚きました。米粉の特性を活かして、富山の食文化を盛り上げていけると感じられました」と期待を感じたよう。

また、レストランAOIKEのシェフ・亀谷さんは、学生のアイデアが良い刺激になったと語ります。「おいしかったし、工夫を感じました。『レストランで提供するなら、どうアレンジしようかな』などのイメージがわいて楽しかったです」。

大澤さんは、「私は、米粉らしさは食感にあると思います。今回の11品は、特に米粉の粘り気やサラサラとした特性を活かして作られていると感じました。“ご当地感”“家庭で作れる”というテーマの中で、学生たちがこれまでに学んだことがレシピを通して伝わりました」と話しました。
 


学生たちが創意工夫を重ね作り上げたレシピは「wao!」で掲載するほか、1冊にまとめた冊子の制作も予定しているそう。3月中旬に予定しているイベント「とやま米っこデイ」では冊子の配布だけでなく、レシピをもとに作った試食も計画中。イベントでは、県内産米粉の販売や米粉スイーツなどの出店も企画しています。また、北日本新聞の折込み・月刊フリーマガジン「ゼロニイ」のウェブ版では、県内産の米粉を使っているお店と商品の紹介をする記事が公開。富山の米粉の魅力が存分に楽しめ、体験できる北日本新聞社による取り組みに、ぜひ注目してください。
 

◾️キャプション(メニュー名/概要)


①こめっ粉アップルパイ/米粉と小麦粉をミックスして使用。配合の調整を重ねた結果、中はしっとり、外はサクサク軽い絶妙なバランスの生地に仕上がった

②きときと!富山幸お好み焼きだよ!/米粉によるもちもちとした食感と塩揉みしてから使用するキャベツのシャキシャキ食感のコントラストもポイント
 


③かりふわチュロス/外はカリカリ、中はもちもちの仕上がりのチュロスは、県内産のバターや富山市八尾町の卵を使用。家族や友人と一緒に作っても楽しい

④ごろっと海鮮!濃厚シーフードグラタン/米粉でホワイトソースのとろみづけをし、富山県らしい海鮮をふんだんに使用した冬にぴったりなメニュー
 


⑤もちもち米粉ブルーベリーベーグル/富山県のまだあまり知られていない特産品・ブルーベリーを使用。ベーグルはもちもちの食感が特徴

⑥Crepe&Mood~その日の気分と楽しむクレープ~/米粉の特性と油や砂糖の量の調整によりもたれない生地に。もちもち食感を活かすため、焼き過ぎないのがポイント
 


⑦ますンディーヌ/富山県の名産品・鱒寿司をイメージしたアマンディーヌ。鱒寿司が苦手でも富山の名物が楽しめる逸品として考案

⑧ポテップルロール/ポテト(さつまいも)とアップル(りんご)を、もっちり食感の米粉生地で包んだロールケーキ。りんごジャムのシャキシャキ感がポイント
 


⑨宝石タルト/米粉を生かした軽くてサクサク食感のタルトにクリームや生チョコレート、フルーツをトッピングした、ちょっとリッチでご褒美感のあるタルト

⑩サクサク食感 バタリンゴサンド/やわらかい食感に仕上がった食べやすい米粉のクッキーで、りんごのジャムとバタークリームをサンド
 


⑪秋のかぼちゃと紫チューリップ/富山県が日本一の球根産地として誇るチューリップを紫いものスイートポテトで表現。米粉によってもちもちの食感も楽しめるマドレーヌ。


【レシピはこちらクリック(PDFファイル)】