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サンマルク初となる「米粉のピンサーレ」が期間限定で販売開始。開発秘話と試食会をレポート。

2025.11.04

サンマルク初となる「米粉のピンサーレ」が期間限定で販売開始。開発秘話と試食会をレポート。

俳優として活躍する小林さんが代表を務める株式会社AGRIKO(アグリコ)が、米粉用米の生産拡大を目的に主催する「米粉用米生産拡大事業施策」。その第三弾として、株式会社サンマルクホールディングスが米粉で作ったパン「ピンサーレ」を開発。同社が展開する一部店舗で販売がはじまりました。展開する商品のなかには、本事業の第一弾として検討会を実施した新潟県上越市名立区のお米で作られた米粉を使用したピンサーレも。その開発秘話やこだわり、生産者との交流を語った試食会の様子をレポートします。
 

試食会に参加したのは株式会社サンマルクホールディングスの取締役 商品本部長の飯田さん、執行役員 バケット事業部 事業括部長の山内さん、バケット事業部 統括部長の重久さん、バケット事業部 メニュー 販促 マネージャーの成瀬さんと、アグリコの小林さんと大沼さん。

今回の取り組みが実現した経緯について、サンマルクの飯田さんは「アグリコの小林代表との以前からのご縁がきっかけです。弊社が展開する『Petrichor Bakery and café(ペトリコール)』がオープンした際に、アグリコさんが運営する循環型農福連携ファームのみなさんに業態をイメージしたアートを描いていただき、紙袋や風呂敷をノベルティとして作成したんです。そんな取り組みを通じてご縁が生まれ、またご一緒することとなりました」と話します。
 


それに対し、「私たちの施策には、米粉の普及、米粉という素材への信頼を高める目的があります。サンマルクさんのような大企業に先陣を切っていただくことで、市場にもいい影響が出るのではと思いました」と小林さん。「ここ数年でだいぶ普及している実感はありますが、私自身が米に携わりながらも自分事として捉えられていなかったように生産者さんとの距離もあります。サンマルクさんならこうした思いを形にして、生産者と飲食事業者、そして消費者をつないでくださるのではないかと感じたんです」と思いを語りました。

展開するピンサーレは、古代ローマで発祥したと言われているパンの一種。米粉と小麦粉、大豆粉をブレンドした薄焼きのパンで、株式会社サンマルクホールディングスで展開するのは初めてだそう。ピンサーレを選んだ理由として、サンマルクの重久さんは「日本ならではのお米文化とパンを掛けあわせることで、お客さまへ新しい発見と楽しさを提供できたら」と話します。

さらに「弊社では食の豊かさを広げる取り組みを大切にしてきました。今年からは地域の食材やお米といった身近な素材を活かすべく、サンマルクファームという農業事業にも力を入れています。米粉のピンサーレを開発した意図として、そうした姿勢につながるメニューというのもあります。今回のフェアを通じてパンの新しい可能性を感じるとともに、米粉の魅力を再発見していただければ嬉しいです。以前から米粉のパンが食べたいというご要望もあったため、そうしたお声に応えられる機会にもなりました」とサンマルクの山内さん。
 


今回、米粉を使ったピンサーレを販売する株式会社サンマルクホールディングスは、1989年創業で、1991年にベーカリーレストラン『サンマルク』の1号店を開業したことから始まりました。以来、ホテル並みの味と雰囲気、サービスを手軽な価格で提供したいとの思いで幅広いニーズに応える多彩な業態を開発。焼きたてパンで知られる『サンマルクカフェ』をはじめ、ベーカリーレストランやカフェ、生パスタ専門店などを展開し、日本を代表する外食チェーン企業となりました。現在の店舗数はグループ全体で870にものぼります。

ピンサーレを販売するのは、店内で焼き上げたパンを食べ放題で楽しめる5業態のベーカリーレストランと、NEWoMan新宿店に入居するカフェ『Petrichor Bakery and café(ペトリコール)』。5つのベーカリーレストランでは2種の小ぶりなピンサーレを食べ放題メニューとして提供、ペトリコールではそちらと異なる2種類のピンサーレを販売します。

「ピンサーレの生地には小麦粉のほか、米粉、大豆粉を配合。粉に対する加水率を80%以上とし、外はカリッと香ばしく、中はふんわり軽やかに仕上げています。日本のお米文化とのつながりも感じられ、どこか新しい体験を楽しんでいただけると思います」とサンマルクの成瀬さん。

「食べ放題で楽しんでいただけるのはカジュアルフレンチの『ベーカリーレストランBAQET』、ピザも評判な『グリル&ベーカリー THE SEASON』、ビーフ100%ハンバーグが自慢の『BISTRO309(サンマルク)』、パスタを中心とした『ブレッドガーデン』、パンを楽しむレストラン『パントリエ』の5業態。生地のおいしさをしっかり感じられる『ピンサーレ(オリーブオイル×塩)』と、『ピンサーレ(トマト×チーズ)』の2種をご用意しました。それぞれ、パン食べ放題(単品979円、料理とセット528円)でお召し上がりいただけます。パンに合うお料理や季節のメニューと楽しんでいただけたら」と続けます。
 


上記にくわえて『ペトリコール』では、名立産の米粉を使ったピンサーレが登場。「マルゲリータ風ピンサーレ」(420円)と自家製のリコッタチーズを使ったリッチでクリーミーな「生ハムと自家製リコッタのピンサーレ」(490円)の2種類を販売します。

こちらについて成瀬さんは「ペトリコールはこだわりのパンをはじめ、自家製チーズや国産小麦のロデヴを使ったサンドイッチも楽しんでいただけるカフェ。こちらで提供するピンサーレは、生地に名立のお米で作った米粉をたっぷりとかけているんですよ。表面がよりサクッと香ばしく、米粉ならではのやさしい甘味をじっくりと感じていただけると思います。多くのお客さまに、このおいしさと生産者のみなさんの思いが届いたら嬉しいです」と思いを語りました。

今回の取り組みにあたって、株式会社サンマルクホールディングスのみなさんは名立区を訪れ、生産者のみなさんとも交流しました。成瀬さんいわく「稲刈りなどを通して生産者のみなさんと交流したことでより開発に力が入りましたし、米粉の魅力を多くの方に楽しんでいただけるよう、丁寧に取り組んでいきたいと思いました」といいます。

「みなさんが名立のブランド米に強い誇りを持っている一方で、消費者のみなさんにどう届くかを大変心配されている姿に触れ、身の引き締まる思いでした。現場の声を伺うことで、商品や販促の背景をしっかり伝えることの大切さを改めて実感しましたね。生産者の方々の思いを受け止め、店舗で働く仲間にも伝えていかなければと感じています」。


ピンサーレの開発にあたっては、サンマルクホールディングス商品部のメンバーで生地を探すところから開発が始まったといいます。成瀬さんはいろんなピンサーレを食べ比べながらイメージを固めたそうで、特にこだわったのは食感だそう。

「外はカリッと香ばしく中はふんわり、そして軽やかな仕上がり。そんな米粉ならではのよさを最大限に引き出すべく、焼き方やトッピング、生地のバランスを何度も試行錯誤しました。くわえて、どうすれば常に質のいいピンサーレをお客さまへ提供できるかという課題もあって。生地の扱いを含め、店舗オペレーションへの乗せ方も練っていきました。ピンサーレ単体で召し上がっていただくのはもちろん、各店のお料理と一緒に楽しんでいただき、新しい食べ方も発見していただけたら」と語ります。

試食した感想をアグリコの大沼さんに聞くと「ふわっ、もちっとした米粉らしい軽さ。米粉のやさしい甘みがしっかり感じられて、とてもおいしいです! 具材との相性も抜群で、大人だけでなくお子さんにも喜んでいただけるはず」と感動した様子。最後に改めて、取り組みへの思いを伺いました。
 


「みなさまのお力添えによって商品化が実現でき、本当に嬉しいです。ありがとうございます。アグリコを立ち上げる前から地元農家さんのお手伝いをしていたこともあり、お米としてのおいしさだけでなく、生産者さんがどんな思いで作っているかというバックボーンも感じていただきたかったんです。たくさんの人に食べていただき、名立の生産者さんに思いを馳せていたけたら何よりですね」とは小林さん。

二者の思いが込められた米粉のピンサーレは、2025年11月1日(土)~11月30日(日)に開催される「日本各地の米粉グルメを楽しむ!全国おでかけグルメフェア!」で展開。こだわり抜かれた一品を、ぜひ味わってみてください。

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