米粉ニュース
2024.03.18
全国展開する企業向け弁当に米粉食材を採用。米粉のメリットと可能性を探る。
米・米粉消費拡大推進プロジェクトに賛同した株式会社GLUG(グラッグ)が、企業向けへ日替わり弁当のメニューとして、米粉を使用した料理を提供することになりました。そのきっかけや思いについて、商品開発部で部長を務める田中真奈さんと、商品開発部のマネージャーである大久保亜里沙さんにお話を伺いました。
飲食店の隙間時間を有効利用し、新たな利益を
2009年に設立された株式会社GLUGは、「誰もが“理想の自分へチャレンジ” できる世界を創る」ことを理念に、障がい福祉コンサルティング事業を中心に展開する企業。始まりは、飲食店へのコンサルティングがメインだったと言います。
「飲食店へ、夜の営業までの空いた時間に企業で働く人向けのお弁当を作り、販売することを提案する「やどかり弁当」でスタートしました。レシピはもちろん、食材の提供、販売先探しなどの開業までの準備の手伝いを行い、お弁当屋さんのオープン、その後の営業活動を支える事業です」とは田中さん。
手厚いサポートによって、このお弁当事業には北海道から沖縄までの約370店舗が取り組んでいます。
福祉事業とのマッチングで人手不足を解消し、社会貢献も
しかし、お弁当を作る中で課題となったのが、人手不足だと言います。
「お弁当を1日に7、800個作ることになると家族経営の飲食店では難しく、そんな時に縁があって実現したのが、就労継続支援A型事業として行うことでした。」と田中さん。
就労継続支援A型事業とは、障がいによって一般就労で仕事をすることに困難があるものの、支援があれば働ける人を対象にした障がい福祉サービスのこと。利用者は、出来上がったお惣菜をお弁当に詰めたり、注文データの入力など、各人の特性にあった作業を行っており、やりがいにもつながっていると言います。
お弁当事業ならではの工夫で誕生した米粉メニュー
今回、株式会社GLUGが米・米粉消費拡大推進プロジェクトに参加したのも、社会貢献への思いからだそう。
「 “国内で自給可能な食料であるお米・米粉の消費拡大を図る”という考え方に賛同し、参加することを決めました。弁当で使用する食材も、なるべく国産のものを使いたいと考えていますが、1つ400円~という低価格も売りのため、なかなか難しい。その為、お取引先メーカー様と協力をし、主要品を製造する際に発生する端材を使って商品を製造していただくなど、工夫しながら国産食材を応援しています」と田中さん。
今回、「やどかり弁当」で取り入れる米粉メニューは、「米粉パスタときのこのトマトペペロンチーノ」。2024年4月のお弁当に取り入れる予定なのだそう。
「作った後に時間をおいて食べるお弁当に使うということと、各店で作って頂いているため、誰でも作れることが課題でした。いろいろな米粉を使った食材を検討したのですが、かわいい星形の米粉マカロニが見つかったので、マカロニを使った料理を部署のメンバーで話し合い考案しました」とのこと。
お弁当ならではの苦労については、「作ってから食べるまでの時間が空いたり、まちまちだったりするので、なるべく状態が変わらないような料理にするための工夫が必要です。そこで、もちもちとした食感と形が保てるように、トマトやキノコの水分と油分のあるペペロンチーノが思いつきました。レシピ開発の段階では、茹でてから一晩おいて変化を見ることから始めました」と話してくれたのは、中心となって商品開発を行った大久保さん
「今回は、既存の米粉マカロニを利用するメニューを開発しましたが、初めはお菓子に利用するのもいいなと思っていて……。いつもデザート作りをしてくれているメーカーさんにも相談したのですが、検証する時間が足りなくて実現しませんでした。また、とろみなどに利用するのも良いと思ったのですが、各店舗の皆さんが米粉に慣れていなければ難しいので、こちらも断念」と難しさを語ってくれたのは田中さん。
田中さんは、「米粉マカロニを使ったメニューもお弁当にぴったりですが、今後は時間をかけてお菓子や揚げ物の衣などに使ったメニューも考えていきたいですね」と展望についても語ってくれました。
株式会社GLUG
https://glug.co.jp/