米粉ニュース
2024.03.18
cotta×農林水産省による米粉ウェビナーを開催!米粉のトレンドと実態に迫る
ECサイト「cotta(コッタ)」を展開する株式会社cottaが、2024 年2月22日(木)に「米粉の購買データから読み解くトレンドと急成長の実態」をテーマにしたウェビナーを開催。加工食品メーカーの企画開発担当者や販売促進及びマーケティング担当者へ向けて、「米・米粉消費拡大推進プロジェクト」の内容や現在のお米を取り巻く状況、昨今米粉が注目されている理由などについて解説しました。こちらの記事では、その模様をご紹介します。
今回のウェビナーに登壇したのは株式会社cottaのエグゼクティブマネージャーである齋藤貴生さんと農林水産省農産局穀物課課長補佐の齊官英雄さん。
まず、齊官さんが「米・米粉消費拡大推進プロジェクト」について解説。その背景にあるのは、年々減っているお米・ごはんの消費量が影響していると言います。消費が減ると生産も減らすこととなり、食料安全保障の観点からも懸念されていることを話してくれました。
それに対し、米粉用米の生産量、需要量が上がっているそう。そんな米粉について「小麦の代わりに使うだけではなく、もっちり・サクサクなどの米粉の特徴を生かしてぜひ使ってほしいと思っています」と齊官さん。米粉の原料となるお米の品種によっても特徴があるとのことで、「ミズホチカラ」や「笑みたわわ」といった米粉パンに適した品種、「亜細亜のかおり」や「越のかおり」といった米粉麺に適した品種を紹介しました。
続いて、齋藤さんがcottaについてご紹介。cottaはお菓子やパン作りを応援するオンラインショップで、“買う・探す・作る・学ぶ”がすべて揃うのが特徴。2万点以上の材料、道具が購入でき、お菓子・パン作り好きからはもちろん、プロからも愛用されています。また、パティシエやインフルエンサーの協力による2万件以上のレシピも掲載。通信講座では、家で楽しむパン・お菓子から、本格的なプロの講座までがオンラインで学ぶことができるのも特徴です。また、会員数約180万人の一般会員向けサイトだけでなく、業務用通販の「cotta business」も展開。そんなcotta法人web会員8万社の検索データを元に、米粉ニーズのトレンドについて読み解きました。
「cottaのサイト内だけでも、“米粉”というワードの月間平均検索数は約3万回。Googleでは月間約8万8000回、yahooでは2万2000回と、一般的な検索のデータと比べても見ても、法人からの米粉に対する関心、ニーズの高まりを感じます」と齋藤さん。そして、“米粉”と組合わせて検索されるワードは、「クッキー」や「パン」などといったフードの名称が多く、米粉を使った特定のレシピが求められていることが分かりました。「これは情報量が少ない、課題の多い食材の典型的な特徴です」と齋藤さん。また、米粉に関する購買データについても調査。2023年からの1年間、「cotta business」で米粉を購入したのは法人2810社。2022年と比べ171%アップした結果になりました。
続いて発表されたのは、アンケート調査の結果。まず伺ったのは「米粉の使用有無」で、回答が多かった順に「現在販売している」(36.4%)、「これまで一度も販売したことはない」(31.1%)、「現在、販売を検討中」(18%)、「過去販売していたが、現在は販売していない」(11.5%)という結果に。「現在販売している」、「現在、販売を検討中」と回答した方へその理由を伺うと、一番多かったのが「グルテンフリー対応」(65.2%)。また、「健康ヘルシー志向の高まり」(47.7%)、「米粉ニーズの高まり」(45.9%)が続きました。「『グルテンフリー対応』が多かったのに驚きました。私としては、明確なエビデンスのないグルテンフリーが一人歩きするのは危険だと感じていて、今後米粉が普及していくなかで重要なテーマになってきます」と齋藤さん。
「米粉を使用していない理由」についても調査。多かった回答は「価格が高いから」(18.9%)、「おいしく仕上がらないから」(17.4%)という結果に。これを受けて齋藤さんは「価格は変わってきていると感じています。対して『おいしく仕上がらない』というのは、大きな課題。米粉への意欲が高まっているなかで、継続して使ってもらう、使用量を増やしてもらうには、これを克服しないと」と話しました。「米粉商品を訴求する際のポイント」としては、「グルテンフリー」(65.6%)、「小麦アレルギーの方でも安心」(54.8%)、「もちもち食感」(37.7%)、「サクサク食感」(25.0%)が多く回答されたました。
「この質問では『小麦アレルギーの方でも安心』と半数以上の回答がありましたが、先ほどの導入理由で『アレルギー対応』と回答したのは0.5%でした。導入に対するモチベーションと実態にギャップがあるということですが、その改善が課題解決につながると思います。また、『栄養価が高い』という回答は8.3%のみで、非常にもったいないですよね」と齋藤さん。
そして、最後は自由回答で募集した声をご紹介しました。
「米粉の活用においての課題・悩み」に対しては、「価格」「扱いの難しさ」「日持ち」に関する回答が多くありました。また、「商品自体の情報が少ない」と言う声も多く、吸水率、製粉方法、損傷率なども提供してほしいということでした。
「米粉に関して専門家に聞きたいこと」へは、「レシピのニーズ」「保存方法」、「用途に応じた米粉の品種提案」「味わいの出し方」など、 “どう使えばいいのか教えて欲しい”というのが圧倒的でした。
最後に齋藤さんが、課題、展望について話してくれました。「これまで調査で感じたのは、期待がすごく高いということ。しかし、課題が多く改善すべきことも山積みです。生産者やメーカー、販売店、農林水産省と一緒に考える場を増やし、業界全体で盛り上げていければと思っています」。
米粉の課題が見えてきた今回のウェビナー。しかし、課題解決によって米粉の消費拡大やおいしい米粉商品の開発ができる道筋が見えてきました。
株式会社cotta
https://www.cotta.jp/