米コ塾

米粉ゼミ

2024.05.27

コナモンの本場・大阪難波で開催!コナモン文化を探り、米粉たこ焼き大試食を実施した「5月7日はコナモンの日たこ焼きの未来を考える」イベントレポート

5月7日の「コナモンの日」を目前に控えた4月26日(金)。コナモンの本場・大阪の難波を舞台にプレイベントが開催されました。大阪を代表するコナモンのたこ焼きを筆頭に、焼きそばなどについての“コナモントーク”が繰り広げられたほか、たこ焼きの未来を考える大試食会を実施。コナモン食文化の魅力が存分に発信されたイベントの様子を紹介します。


本イベントには、コナモン業界の方からコナモンに関わるメーカーなどからさまざまな方が参加。まず、一般社団法人大阪活性化事業実行委員会 代表理事の千田忠司さんが祝辞を述べ、来年に控えた大阪・関西万博でのインバウンドへの期待、その際に発信していきたいコナモン文化について語りました。

その後は日本コナモン協会 会長の熊谷真菜さんを中心に今後積極的に発信していきたいコナモン「やきそば総研」の活動について発表があったほか、文化庁参事官 生活文化連携担当の髙橋一成さんを交え、多彩な食文化の継承・振興のため文化庁が企画する「100年フード」についてもご紹介。
髙橋さんによると「活動4年目を迎えた100年フードですが、現在認定しているのは250個。その中でも25%くらいがコナモンで、日本の食文化に深く根付いていることが分かります」とのこと。また、あかし玉子焼ひろめ隊の古志利宗さんは、たこ焼き誕生のヒントとなった「明石の玉子焼(明石焼き)」について話してくれました。


その後は、たこ焼きに欠かせないソースとマヨネーズについてのトークセッションに。たこ焼きの名店・甲賀流の田中由弘さんは「かつてはお好みでマヨネーズを提供しており、『たこ焼きにマヨネーズは邪道』と言われていた時期もあります」と語ります。しかし、現在でマヨネーズをかけることが定番に。キユーピー株式会社の猿渡守さんは、「マヨネーズは長く星型の絞り口でしたが、2004年からは要望の多かった細口に。また2016年からはお店のように編みかけができる、3つ穴の商品もご用意しています。今は、たこ焼きに合うマヨネーズを開発しているんですよ」とたこ焼きとともに進化するマヨネーズについて教えてくれました。また、オタフクソース株式会社の島原由里子さんは、「たこ焼き専用ソースは昭和39年に発売しました。現在、家庭用のたこ焼きソースは出汁と醤油を効かせたソースを販売。業務用ではさらにバリエーション豊かに展開していますと語ります。


続いては、未来のたこ焼きについて、米・米粉消費拡大推進プロジェクトより農林水産省の齊官英雄さんが登壇しトーク。現在消費量が下がっているお米、その消費量を上げるべく注目されている米粉について紹介。コナモンとして使用することでどんな味、食感になるのか“米コ塾”で研究していると話します。

そして今回はその第2弾ということで、米粉を使用したものを含む3種類のたこ焼きを用意。来場した一般の方100人に振舞いました。A、B、Cの3種のたこ焼きの違いについては公表せず、どれが好みだったか投票してもらう形式に。それぞれの感想を伺いました。
まず、Aに投票した方は「たこ焼きは好きでよく食べています。いつもの味に近いと感じたのはA」とのこと。また、Bを選んだ方は「やわらかい食感が良い」と話してくれました。「Bと迷いましたが、よりふんわりとしていたこちらにしました」とはC を選んだ方。


この3種のたこ焼きを焼き上げた職人さんは、「米粉を使うことで、小麦粉100%のたこ焼きと火の入り方に変化がありました。米粉を使うと火が入りにくく、糊化するまでに時間がかかりますが、火が入り始めるときつね色になりやすいと感じました」と、調理する上での違いについて教えてくれました。

オタフクソース株式会社の島原由里子さんは、「口あたりがなめらかで、とろっとした食感のAが好みです。米粉が入ることによって食感や香りが変わり、合うソースも変わると思います」とのこと。また農林水産省の齊官英雄さんは、「どれもおいしいですが、Bは見た目、食感のバランスが良かったです。たこ焼きは大阪のソウルフードのひとつで、その現地の方々に米粉を入れることを受け入れてもらえるか心配もありましたが、関心を持って試食してもらえよかったです」とホッとした様子でした。


最後にお話を伺ったのは、コナモン協会 会長の熊谷真菜さん。「米粉ブレンドのたこ焼きの試食審査は初めての試みでしたが、興味を持っていただけてよかったです。30年前からたこ焼きに米粉を使う取り組みをしていましたが、当時はボロボロになってしまい…。米粉の品質自体が向上し、今はおいしいたこ焼きになっていて驚きもありましたし、たこ焼きの未来が見えました」と語ってくれました。

大盛況の中に終了した「未来のたこ焼き試食会」。その投票結果とA、B、Cの3種のたこ焼きの違いについて、5月7日のコナモンの日に日本コナモン協会のYou tube「コナモンちゃんねる」で公開されました。


3種の違いは粉の割合で、Aが小麦粉10割、Bは小麦粉7割:米粉3割、Cは小麦粉2割:米粉8割でした。 この結果に熊谷会長は「米粉が入ることでのどごしや食感などに変化がありました。今後は、食感や新しいおいしさを、小麦粉と米粉のブレンドの黄金比を見つけながら楽しんでいきたい」と語ります。 米粉によってたこ焼きのさらなる進化を感じた今回のイベント。グルテンフリーの関心が高まっている昨今、コナモンを世界へ発信するためにも欠かせない米粉の魅力を改めて発信する機会となりました。当日の様子は日本コナモン協会の公式youtubeチャンネルで公開されていますので、ぜひご覧ください。