米粉ニュース
2026.06.30
トレンド選出で大注目!第三のミルク「ライスミルク」。 その魅力と万能な可能性に迫る
“2026年トレンド米粉グルメ”のニューウェーブ部門に選ばれた「ライスミルクプロテイン」。お米による植物性ミルクにライスプロテインを添加した食品のことですが、そもそもライスミルクとはどんなものなのか、馴染みがない方も多いはず。そこで、ライスミルクの製造販売を行うメーカー「白州屋まめ吉(山梨県北杜市)」の代表取締役社長の榑林さんにインタビュー。製造に至ったきっかけや商品の魅力について伺いました。
――白州屋まめ吉について教えてください
農地整備の事業をきっかけに、平成17年に設立しました。その後、白州町の水が良い事から、清涼飲料作りに乗り出し、2006年に工場ができました。当時から安い素材をたくさん使って安価な商品を作るのではなく、値段が高くなったとしても地元の原材料を使って商品を作りたいと考えておりました。そこで着目したのが大豆で、大豆の飲料をメインに製造をスタートしました。
――どんな商品を製造しているのでしょうか?
植物性原料の発酵飲料の製造メーカーのため、業務用としてこだわりの原料を使った飲料作りのお手伝いができます。例えば、プラントベースドリンクや清涼飲料、甘酒、ライスミルク、豆乳、植物性ヨーグルトのOEM、製造委託、商品開発など。また、発酵調味液や乳酸菌原料、乳酸菌生産物質、乳酸菌培養、乳酸菌拡大培養などの製造も得意としています。
メインとなるのは大豆の飲料で、中でも主力の商品は「まめきち」です。大豆を微粉末にしてからお湯に溶かして作ることで、大豆の栄養を余すことなく飲んでいただけるのが特徴です。また、乳酸菌を加えて飲むヨーグルト仕立てにした「豆吉」などもあります。山梨県八ヶ岳南麓産の大豆「すずさやか」の大豆粉も販売しています。
米を使った飲料も製造しており、そのひとつがお米のみを原料とするライスミルク「にほんの米乳」。また、米と米麹から作られる甘酒を乳酸菌で発酵させた「爽やかあまざけ」もあります。

――ライスミルクである「にほんの米乳」の特徴や魅力を教えてください
山梨県八ヶ岳南麓の梨北地域で生産されるブランド米「梨北米」と、南アルプスの天然水の伏流水のみを使用した、いわゆるライスミルクです。お米を粉砕して米粉にしてから煮て作っており、お米の風味や自然な甘みが感じられる味わいになっています。
お米は加熱するとアルファ化してドロドロになってしまいますが、米麹にも含まれるアミラーゼを加えることでデンプンの結合を小さくし、加熱しても、飲みやすいサラサラな状態にすることが可能となりました。また、糖質は結合していると甘みを感じにくいのですが、結合が小さいと甘みを感じやすくなるので、その点にも効果を発揮しています。
――「にほんの米乳」を開発したのには、何かきっかけがあったのでしょうか?
2010年くらいのことなのですが、新聞でアメリカ産のライスミルクの記事を読み、“ライスミルクというものがある”ということを知りました。同時に、それがビーガンやアレルギーの方に役立てられるということも。そこで、工場のある山梨県北杜市も米どころなので作ってみようと思い、開発に乗り出しました。
開発するなかで、アメリカやイタリアで飲まれているライスミルクを調べたのですが、当該商品はお米の割合が少なく、ひまわり油や塩などが添加されていました。そこで、お米をしっかり使って、香味料や安定剤、甘味料を使わずに作ろうと。結果、自然の甘みがおいしく、日本人に馴染みのあるお米の風味も感じられる味わいになり、2013年に商品化しました。また、無添加、無調整のため賞味期限は2カ月と短く、要冷蔵品ですが、安心して飲めると消費者からは歓迎されています。
ちなみに商品名にもある「米乳」は、当時の他国のライスミルクとは別物にしたいと思ったため、日本語に変換したこの言葉を使うこととし、名付けました。


――商品開発にあたり苦労したことはありましたか?
米粉を原料としているので、開発当初はざらつきや喉越しの悪さがありました。人間の喉はとても敏感で、20ミクロンの粒度が数%あるだけでざらつきを感じます。ここをクリアすることに数年かかりました。
――お客様からの反響を教えてください
販売してからアレルギーがあるという方や、小さい子どもに飲ませたいという方、体調が悪くて固形の食事が摂れないが栄養を取りたいという需要がありました。また、世界的なスポーツの祭典で海外のサッカーチームが来日したときに、効率的なエネルギー摂取のために採用されたこともあります。というのも、お米は多糖類ですが、「にほんの米乳」は単糖類(ブドウ糖)になっているため、多糖類に比べて糖の吸収が早くなります。そのため、スポーツ前後にエネルギーとなる糖質を補給したいときにちょうど良いのです。
――榑林さんのオススメの楽しみ方は?
そのまま飲むのもおすすめですが、私が気に入っているのは日本酒の割材として使うこと。アルコール度数が落ちて飲みやすくなるのはもちろんですが、お米の風味がグッと際立ち、甘みもありおいしくなります。安価な日本酒でもおいしくなるので、ぜひ試して見てください。
――「にほんの米乳」の可能性や展望について教えてください
近年、牛乳をプラントベースと置き換えようという流れがあるため、そこに可能性を感じています。実際、問い合わせや大量供給の依頼もあります。原材料や味の観点などからも海外のライスミルクは日本では勝負できないようものにしていけたらと思っています。
また、米粉麺を他社と共同で開発する中で発見したのが、「にほんの米乳」を加えることで、つるつるとした切れない麺になるということ。米粉パンを作るときに加えると仕上がりが良くなる、というお客様の声も聞くので、改めて「お米ってすごい!」と感じています。そのままドリンクとして飲むのはもちろんですが、何かに加えることでより良いものを作るために万能な素材です。ご興味を持っていただけたら、サンプルを送るので一度試してほしいですね。お米はグルテンフリーですが結着作用を持っているので、麺やパン以外にもいろいろな分野で活用できると思います。ぜひ、一緒に可能性を探って行きたいですね。
<関連リンク>
白州屋まめ吉(山梨県北杜市)
https://www.h-mamekichi.co.jp